自殺防止相談会で相談対応する

本日某所にて自殺防止の相談会(実際の名称はもっと穏やかなものだが、目的は自殺防止)で相談対応をした。

この手の仕事は電話相談も含めてかなり行ってきたが、ものすごくヘビーな話が多い。

有効な介入ができる場合もあるが、「確かにこの人の立場になったら死にたい気持ちになるだろうな」と思うケースではただ話を聴くことしかできないことも結構ある。

昔自殺対策の電話相談研修で教わったのは、相手を変えようとかいいアドバイスをしようとかする気持ちを出さず、とにかくひたすら傾聴と共感に徹すべし、ということだった。

相談者の話に共鳴、共感することで、その人の置かれている状況や事態がそう変わるわけではないが、だんだん相談者の気分が落ち着いてくるというのはよく起こることである。

ただ話がものすごくヘビーだったり、パーソナリティ的に難しい相談者の場合、じっと聴いているというのは相当大変な場合もある。

そういうときはつい余計なことを言ったり表面的なアドバイスをしてしまいがちだ。

相談に来る人のほとんどはすごく落ち込んでいたり、怒っていたり、あるいはイライラしていたりと、大変な状態である(そうでなければわざわざ相談に来ない)。

そういう相手と話していると、対応する者の気持ちも揺れて当然だと思う(まったく心が動かないならそれは無関心ということだ)。

そこで大事なのは、対応者が自分の中で起きている気持ちや体の反応をモニターできているかどうかである。

対応者の中で起きてくる、なんとなく感じる不安感や焦燥感などが、相手の中で何が起きているかのヒントや理解の手がかりになることはよくある。

ただ相談する人のの話が自分の心の傷やこだわりに触れると、冷静に自分をモニターすることが難しくなると言われている。

ハコミセラピーの創始者であるロン・クルツは、セラピーというのはセラピスト自身の自己探求のプロセス、すなわち自分自身を知るためにやっているものだと言っていた。

考えようによっては、お金をもらいながら瞑想しているようなものだ。

そう聞くと、そんな素敵な商売はないと飛びつく人がおられるかもしれない。

でも、どんな仕事だってそれを瞑想のプロセスとして捉えれば、そうなるのだと思う。

日本のトランスパーソナル心理学の草分けである吉福伸逸さんは、「自分の無意識について知るための一番いい方法は、自分の嫌いなことを徹底的にやってみること」と述べていた。

仕事には楽しいことも苦しいこともある。

今自分がやっている仕事を、自分についての理解を深める一つの瞑想だと意識的にイメージしてみよう。

そうすれば何か新鮮な発想や視点を得られるはずだ。

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